最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。
カツ、カツ、と式を書いていくと、

後ろから小さなざわめきが聞こえた。

「え、速……」

「もう終わったの?」

「途中式も短っ……」

席に戻ると、先生が笑って言った。

「みんな、朝比奈の答えを写すだけじゃなくて、

途中の考え方も見ろよー。」

「はーい……」

教室から気の抜けた返事が返ってくる。

その空気が少しおかしくて、思わず笑ってしまった。

勉強は好きだ。

問題が解けると、パズルが完成したみたいで気持ちいい。

でもその時、誰かがぽつりと言った。

「朝比奈はいいよなぁ。

……元から天才じゃん」

その言葉に、私は小さくため息を付いた。

天才....では、無いのになぁ。

< 38 / 72 >

この作品をシェア

pagetop