最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。
私は自分の頬をぱちんと叩いて、資料を開いた。

【一ノ瀬 律】

理系科目──学年トップクラス。

数学、物理、化学はほぼ満点。

その一方で、現代文、古文、漢文、国語などの文系教科は....。

どれも赤点ではないものの、

理系科目と比べるとびっくりするくらい点数が低い。

どうしてだろう。

私は前回のテストを見てみた。

「……あ」

思わず声が漏れた。

分かった。

一ノ瀬くんは、文章を読んでいないわけじゃない。

むしろ、読み込みすぎてるんだ。

例えば、問1の(2)。

『主人公が悲しんだ理由を答えなさい』という問題。

一ノ瀬くんの解答は―――

『本文中からは断定できない。情報不足』

「……。」

確かに、論理的に考えればその通りなのかもしれない。

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