最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。
でも、国語はそういう教科じゃない。

作者が何を伝えたいか。

登場人物が何を感じたか。

それらを少ない情報から読み取る教科だ。

数学みたいに、答えが一つとは限らない。

「これは……苦労しそう」

思わず苦笑いする。

そのとき―――

コンコン。

扉がノックされた。

「失礼します」

静かな声に続いてドアが開けられる。

つられるようにして顔を上げると、

目の前に一ノ瀬くんが立っていた。

制服はきっちりと校則通り着こなされ、姿勢もまっすぐ。

無表情なのに、不思議と目を引く。

「朝比奈さんですね」

「は、はい!」

「よろしくお願いします」

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