最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。
「朝比奈さん。貴女だから頼みたいのです」

「……どうしてですか?」

学園長は窓の外へ視線を向けた。

「彼らは、確かに優秀です」

「成績も、才能も、将来性も申し分ない」

「ですが――」

そこで一度、言葉を止める。

「四人とも、自分自身と向き合う時間が足りていない」

意外な言葉だった。

トップ4。

何もかも持っている人たち。

そんな人たちにも、悩みがあるのだろうか。

「もちろん、

君に彼らを変えてほしいと言っているわけではありません」

学園長は続ける。

「ただ、貴女には彼らを一人の生徒として見てほしいのです」

その言葉に、少しだけ引っかかった。

一人の生徒として。

< 5 / 37 >

この作品をシェア

pagetop