最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。
先生たちが苦労する理由が、なんとなく分かったかもしれない。

私は問題集を見つめながら考える。

どう説明したら伝わるだろう。

一ノ瀬くんは感覚じゃ動かない。

理屈が必要だ。

理屈で納得できれば、きっと理解してくれる。

「あっ」

ふと、いいことを思いついた。

「一ノ瀬くん」

「はい」

「数学って、途中式を書きますよね?」

「もちろんです」

「答えだけ合っていても、途中式が間違っていたら減点されますよね」

「はい」

「国語も、それと少し似てるんです」

一ノ瀬くんの表情がわずかに動く。

「本文が途中式です」

「……途中式」

「答えは一つでも、

先生は『どう考えてその答えにたどり着いたか』を見ています」

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