最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。
さっきまでのように、すぐ答えを書こうとはしない。

本文を読んでは少し考え、また前のページに戻る。

「……なるほど」

小さくつぶやくと、さらさらとペンを動かし始めた。

私は黙って見守る。

邪魔をしないように。

急かさないように。

そうして見守ること数十分。

ついに一ノ瀬くんはペンを置いて、私に答案を差し出した。

「できました」

「見せてください」

私は受け取って目を通す。

一行目に目を通す。

続けて二行目に視線を移した。

……え。

思わずもう一度読み返した。

「……!」

すごい。

さっきまで『本文中に記載なし』と書いていた人と、本当に同じ人?

ちゃんと前後の文章を根拠にして、主人公の気持ちを書けている。

もちろん、少し表現を直したほうがいいところはある。

でも、考え方はばっちりだった。

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