春のその先で、君と。



そのとき。


ピコン。


スマホが鳴った。



「……母さん?」



画面を見る。


母さんからだった。



『ありがとう』



その短い言葉の下に、続けてメッセージが届く。


『湊の18歳がいい年になりますように』



そして。



『母さん、湊に渡したいものがあるんだけど、どこかで会うのはまだ難しい?』



「……」



俺は、その画面を見たまま固まった。


会う。


その言葉に、胸が少しだけざわつく。


でも、それ以上に。


俺がこんなに考えて、時間をかけてやっと返信したのに。


母さんは、何も責めなかった。


ただ、俺の誕生日を祝ってくれて。


俺のことを気にかけてくれて。


そして、俺が会える日を待ってくれている。


あの頃とは、何かが変わったのかもしれない。


いや。


もしかしたら、母さんはずっと変わらずに俺のことを大切にしてくれていたのかもしれない。


俺が勝手に距離を置いていただけで。


そう思った瞬間、胸の奥が少しだけ熱くなった。




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