ブルー・ディスタンス~君の特別になりたかった私は、最初から君の特別だった。~
③-❸
「誰って、律に決まってんでしょ」
夏美ちゃんは机から飛び降りると、私の目の前に歩み寄ってきた。
「ちょっと、まさか本当に気づいてないわけ? 律が好きなの、高梨さんじゃなくて、あんたなんだけど! 璃子、あんたなんだよ!」
耳に届いた言葉の意味が、すぐには理解できなかった。
教室の喧騒、蝉の声、すべてが遠ざかっていく。
「な、何言ってるの……? だって、律くんは詩織と仲が良くて、連絡先も交換して、買い出しも一緒に行って……」
「それ、全部律が『市乃瀬さんって、何が好きなの?』『どうやったら話しかけられる?』って高梨さんから聞き出すために、必死で頑張ってただけ」
夏美ちゃんは頭を抱えた。
「高梨さんはさ、自分の恋バナに夢中で、律の質問を全部スルーして自分のアピールに変えちゃってたみたいだけどね。律は、好きな子の親友を味方につけようとして、完全に裏目に出てたの」
頭が真っ白になる。
詩織と話す律くん。私から目を逸らしていた律くん。
あの姿のすべてが、私に向かうための「空回り」だったというの?
夏美ちゃんは机から飛び降りると、私の目の前に歩み寄ってきた。
「ちょっと、まさか本当に気づいてないわけ? 律が好きなの、高梨さんじゃなくて、あんたなんだけど! 璃子、あんたなんだよ!」
耳に届いた言葉の意味が、すぐには理解できなかった。
教室の喧騒、蝉の声、すべてが遠ざかっていく。
「な、何言ってるの……? だって、律くんは詩織と仲が良くて、連絡先も交換して、買い出しも一緒に行って……」
「それ、全部律が『市乃瀬さんって、何が好きなの?』『どうやったら話しかけられる?』って高梨さんから聞き出すために、必死で頑張ってただけ」
夏美ちゃんは頭を抱えた。
「高梨さんはさ、自分の恋バナに夢中で、律の質問を全部スルーして自分のアピールに変えちゃってたみたいだけどね。律は、好きな子の親友を味方につけようとして、完全に裏目に出てたの」
頭が真っ白になる。
詩織と話す律くん。私から目を逸らしていた律くん。
あの姿のすべてが、私に向かうための「空回り」だったというの?