ブルー・ディスタンス~君の特別になりたかった私は、最初から君の特別だった。~
①ー❺
「璃子! 見て見て、律くんとLINE交換しちゃった!」
一週間後の放課後。
詩織はスマホの画面を私に突き出すようにして、教室の片隅で飛び跳ねた。
画面には、確かに「春日井律」という文字と、簡潔で短いメッセージのやり取りが表示されている。
「プリントのことでちょっと聞きたいことあるって言ったら、教えてくれたの! そしたら、LINE交換しよ?って!!! もう心臓止まるかと思った!」
「よかったね、詩織。一歩前進だね」
私は引きつる頬を必死に持ち上げて、お祝いの言葉を口にする。
けれど、心の中はもう、ボロボロに擦り切れていた。
詩織は律くんと喋れた。連絡先も手に入れた。
私には、そんなことできるはずもない。
声をかけるきっかけがあっても、いつも怖気付いて、逃げてばかり。
最初から戦う土俵にすら上がっていない私が、律くんの隣に立つ資格なんてあるはずがなかったのだ。
「……もう、終わりにしよう」
その日の夜。自分の部屋のベッドの中で、私はスマホの画面を見つめていた。
登録すらしていない、彼の連絡先。頭の中に焼き付いている、彼の涼しげな横顔。
詩織の恋路を邪魔したくない。何より、これ以上傷つくのが怖かった。
届かない距離なら、いっそ最初から諦めてしまえばいい。
私は、律くんへの片想いに、無理やり鍵をかけることを決めたのだった。
一週間後の放課後。
詩織はスマホの画面を私に突き出すようにして、教室の片隅で飛び跳ねた。
画面には、確かに「春日井律」という文字と、簡潔で短いメッセージのやり取りが表示されている。
「プリントのことでちょっと聞きたいことあるって言ったら、教えてくれたの! そしたら、LINE交換しよ?って!!! もう心臓止まるかと思った!」
「よかったね、詩織。一歩前進だね」
私は引きつる頬を必死に持ち上げて、お祝いの言葉を口にする。
けれど、心の中はもう、ボロボロに擦り切れていた。
詩織は律くんと喋れた。連絡先も手に入れた。
私には、そんなことできるはずもない。
声をかけるきっかけがあっても、いつも怖気付いて、逃げてばかり。
最初から戦う土俵にすら上がっていない私が、律くんの隣に立つ資格なんてあるはずがなかったのだ。
「……もう、終わりにしよう」
その日の夜。自分の部屋のベッドの中で、私はスマホの画面を見つめていた。
登録すらしていない、彼の連絡先。頭の中に焼き付いている、彼の涼しげな横顔。
詩織の恋路を邪魔したくない。何より、これ以上傷つくのが怖かった。
届かない距離なら、いっそ最初から諦めてしまえばいい。
私は、律くんへの片想いに、無理やり鍵をかけることを決めたのだった。