花に溺れ、香りに溶ける



 香木(こうぼく=香りのする木)が入った箱は、模様や香炉の正面がお客さんから見て正しい向きになるように整えてから香炉の右手前に置く。
 奥にある道具を取るときは、着物のそでが手前の道具に当たらないように、反対の手でそでを軽く押さえる。箸(はし)などの道具は香炉の左奥に、銀葉が入った箱は香炉の右奥に置いた。

 香炉を両手で自分のひざの前に引き寄せる。左手で香炉を支え、右手で灰をならす道具を持つ。

 その道具で、香炉の周りの灰を真ん中に集める。真ん中に炭が入るくらいの穴を掘り、燃えている炭を専用の箸で正確に落とし込む。そして炭の周りにまた灰を寄せて、山のようにきれいな円すい形に整えた。




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