愛しいひと――く ち な し身代わりの恋(番外編)
 そして、一目惚れしたその人に、そっくりな女が現れた。

「ノブ」

 声は耳障りなほど覚えがあったが、顔は今までちゃんと見たことがなかった。

 ―― 雄飛アユミ。


 こいつ、こんな顔だったっけ?

「今夜、飲みにいかない?」

 俺は、適当に振っていたラケットを置いて、吹き出してくる汗を拭いながら、アユミを凝視した。


 まるで。
 あの人のダミーだ。

 俺は、「あぁ」と、素っ気なく返事をして二人で会う事にした。
< 17 / 60 >

この作品をシェア

pagetop