愛しいひと――く ち な し身代わりの恋(番外編)
 吉竹先輩は、のこのこと現れた。

「アユから誘われるなんて、明日天災くるんじゃね?」


 厳つい男は、似合わない可愛い軽乗用車に乗ってきた。

「縁起でも無いこと言わないでくださいよ」

 窮屈な車内で、ノブではない男と二人きりになると、少し息苦しくなってきた。

「それよりさ、お前、ノブの事を好きなんだろうが。何で俺を誘った?」

 こんなこと聞いてくるなんて、面倒くさい。
 セックスしてあげるのに、私があんたを好きにならないとダメなの?

 黙っていると、

「まぁいいや」


 吉竹先輩は鼻で笑って、ハンドルを握っていない左手で私の胸を掴んできた。
 
 ……こういうところも、嫌いなの。
 ムードなくて、直接的で。

「お前が入学した時から良い身体してるって思ってたんだ」


 この人は、私の顔なんてどうでもいいんだ。


「何処でする? 俺んちか? それとも――」
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