愛しいひと――く ち な し身代わりの恋(番外編)
サークルの歓迎会。

「大橋くん、久しぶり。私の事、覚えてないだろうけど」

ノブを狙っていた女達の視線が痛かったが、隣の席をゲットして早速声をかけた。


「……雄飛さん、だよね? 名前は知ってたけど」


烏龍茶を片手に、ノブはゆっくりと私を見た。


「顔は知らなかった、でしょ? 名字、堅いもんね。嫌いなの」


 この時、平気な顔してたけど。
 ほんとはドキドキしていた。


「カッコいい名前じゃない」


 ノブはどうでも良さそうに言った。

 そう。
 このクールな感じが、ずっと好きだったのよね。


「でも、良かったら下の名前で読んで。アユミっていうの」


 ノブは 「了解」と、私の顔を見ないで言った。

 なかなか手強いひとだ。
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