愛しいひと――く ち な し身代わりの恋(番外編)
「俺と付き合って。週に一度、会って欲しい」

 夫の浮気と事故をネタに脅して、 どうにかなりたいと考えた。


「恋愛がしたいんだ」


 そうすることで、虚無な現実から目をそらしたかった。

 少しでも、アユのしたことを許したかった。

 彼女を追いつめた自分の事を責めたかった。

 何より。

 このときは、よく似た梓をアユの身代わりにしようとしていた。
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