愛しいひと――く ち な し身代わりの恋(番外編)
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「おじさん、どうしたの? さっきからハンバーグ減ってないよ?」


 楓の声にハッとして現実に戻る。
 目の前には、温かい料理と可愛い娘。


「……あ、ちょっと考え事してた」

 楓は、実の父親の俺を、″おじさん″と呼ぶ。


「考え事って?」

 40代半ばになっても、相変わらず美しい梓が心配そうに俺を見る。

「うん。楓達と、近くに住めたらいいなって」

 二人の家に時々遊びにくようになって数か月経つ。

 俺たちは、まだちゃんとした″家族″にはなっていなかった。
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