愛しいひと――く ち な し身代わりの恋(番外編)
「楓、いくら明日休みだからってゲームし過ぎ! 頭が違う世界に行っちゃうよ」

 梓から言われても、「もう、とっくに行ってるもん」と楓はゲームを止めない。
 時計は夜の十時になろうとしていた。

「うちのルールでは十時迄に寝る、でしょ。じゃないと……」

「明日からゲームもテレビ禁止でしょ? はいはい、わかった、寝ます! じゃ、おじさんも、ここきて」


 叱る梓をかわし、一緒にゲームをしていた俺を布団に誘って、添い寝を要求してくる。

 無邪気でかわいい。


「おやすみなさい」

″おやすみなさい″を言ってからも、しばらく布団の中で喋り続けた楓が、急に寝入って目を閉じて動かなくなった。
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