愛しいひと――く ち な し身代わりの恋(番外編)
 日曜日。
 ノブも含めたサークルの皆で、理の家に遊びに行った。

「指定文化財みたい……」

 理の家は地元では有名らしく、大きな庭に和風の屋敷がそびえたって、理はお坊ちゃんなんだなって思った。


「お邪魔しまーす」

 とはいえ、理は気さくだから、敷居が高いとは感じなかった。お酒と菓子袋をぶら下げて、皆でゲームをしたり下らない話をしていた。

 だけど、どこかつまらなそうにしていたノブが、

「親父さんとこに挨拶に行ってくる」

 誰一人として、好き好んでしないことに腰を上げた。
 あぁ、そうか。
 アルバイトしてるんだっけ。

「親父なら庭で手入れしてんじゃないかな?」
 

 理が教えると、既にわかってるらしく、言ってしまう前に部屋を出ていった。


「ほら、アユも飲めよ」
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