さくらのねがい【完】
「昨日、ごめんね。」
「体調もう大丈夫か?」
「うん、大丈夫。ありがとう。」
朝、登校するとたまたま昇降口で慎ちゃんと会った。
「海斗、一緒じゃないの?」
「うん、寝過ごしたんだって、珍しいよね。」
寝過ごしたから先に行っててと連絡が来ていた。
しっかり者の海斗なのに珍しいななんて思いながら下駄箱を開ける。
「げ…」
下駄箱の中に大量の果し状…
“光井くんの特別になるな”、“調子乗るな”とかそんな感じ。
慌てて下駄箱の扉を閉めた。
「すごいね。古典的。」と慎ちゃんは笑っている。
「みた…?」
「バッチリ。」
そう言って私の下駄箱の扉をもう一度開けた慎ちゃん。
「しょーもな。」と言って紙をぐちゃぐちゃにして自分のポケットにいれていた。
「海斗の特別、私じゃないのにね?」
「え?」
「私じゃないよ。咲希ちゃん。」
自分で言って虚しくなった。