さくらのねがい【完】
「咲桜ちゃん、ごめんなさい。ほんっとにごめんなさい。
あの頃の私、どうかしてたの。あの時一番辛かったのってどう考えても咲桜ちゃんで。
でもあの時自分が一番辛い、しんどいって思っちゃってて、たくさん傷つけて、
消えない跡までつけてしまって、謝っても謝っても消えないけど本当にごめんなさい。
私のあの言葉で咲桜ちゃんが自分らしく生きることができていないって今頃気づいて、
ごめんね、遅いよね、もっとはやく気づくべきだった。
というか言うべきじゃなかった。あんなこと。
ずっと謝りたくて、でも咲桜ちゃんのことパニックにさせてしまって、
また私が現れたことで苦しい思いをさせてしまってごめんなさい。
言葉がうまくまとまらないけど、咲桜ちゃんは咲桜ちゃんだよ。
だからもう自分のこと偽らないで咲桜ちゃんらしく生きて欲しい。
あんなことした私が言うのも何様って感じだけど…」
涙ぐみながらそう伝えてくれた明日香ちゃん。
「咲桜ちゃん、自分がしたい恰好をして、もう私なんかのために自分を偽らないで。
咲希ちゃんは咲希ちゃんで咲桜ちゃんは咲桜ちゃんだから。
苦しめてそうさせていた私が言うのもおかしいけど、、、
何度目かわからない、許せないと思うし許して欲しいなんて贅沢。
でも、ほんとうにごめんなさい。
もう私は大丈夫だから、もちろん雄介も。」
私の目をみて真剣に伝えてくれた彼女の瞳から大粒の涙が何個も落ちる。
「明日香ちゃん、私は許すとか許さないとか思ってないよ。
ただまたこうして向き合うことができて良かった。
私ももう大丈夫、ちゃんと前に進めそうな気がする。
だから、謝ってくれてありがとう。」
泣きっぱなしの彼女の姿、私は生涯忘れないと思う。
「咲桜ちゃん、、、
あんなに嫌なことたくさん言ったのに最後まで優しいなんて…」
「最近、夢に咲希ちゃんがよくでてくる。
部活帰りに一緒に通学路を歩いてたわいもない会話して帰るだけの夢。
だけど最後に必ず、咲桜のこと傷つけないでって言われて目が覚める。」
「全部、咲希ちゃんにみられてたんだ。って。
咲希ちゃんはこうなること望んでなかったはずなのにね。
後悔してる。たくさん傷つけてしまって本当にごめんなさい。
もう咲桜ちゃんの前には現れない。今まで本当にごめんなさい。」
そう言って彼女はテーブルの上にお金を置いて立ち去っていった。