🌸さくらのねがい🌸
「入って。」
「おじゃまします。」
何度も入ったことのある咲桜の家。
だけどいつもと違う空気感。
ダイニングテーブルに向き合って座る。
時刻は24時だった。
「ごめんね、海斗。
会ってほしくないって言ってたけど雄介くんとはずっと会ってたの。」
震えている声、俯きながら何度も俺に謝る。
「中学2年のときに咲希ちゃん達が居なくなって、それからずっと。
高校1年の時からは今日みたいに月命日の夜に必ずあそこで会ってた。」
「私が咲希ちゃんの代わりになることで雄介くんの寂しさ、苦しさ、辛さが埋められたらいいと思った。
私を庇わなければもしかしたら咲希ちゃんだって、、、」
「好きでもない人と、私は、、、幻滅したよね、、、」
今初めて聞いた。飯田とずっと月命日に会っていたこと。
そして、あの場所でそういうことをしていて、
心も体もさらに深く傷ついてしまっていること。
こんなに近くに居たのにまったく気づけなくて、
また咲桜のことを守れなかった自分が嫌になった。
「幻滅なんてしないよ。ごめんな、また守れなくて。」
「ううん、海斗には私感謝しきれないほど感謝してるから。いつもありがとう。」
「もうこれで私が海斗に隠していることはないよ。
雄介くんはもう私の前に現れないって言ってくれた、
だからもう会うことはないと思う。」
「そっか。咲桜はもっと自分のことを大切にして。」
「うん、ありがとう。いつも心配かけてごめんね。」
と困ったように笑う。