冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい

 その後、美桜は出社して無事に仕事を滞りなく進めていた。
 昼休みに入り、準備していたお弁当を食べた後、化粧室で歯磨きを済ませる。たまたま、給湯室近くを通った際に、自販機の前にいつぞやの男性職員たちが会話をはじめた。

「おいおい、ネットニュース見たかよ?」

「見た見た、あの冷徹……じゃなくて御影社長、いよいよ結婚するみたいだな」

 ドキン。
 美桜の心臓が跳ね上がる。
 思わず柱の陰に隠れてしまった。

(恭司さんが結婚……?)

 どうしようもなく動揺してしまった。
 男性職員たちが話を進める。
 
「本当かな? だってネットの情報だろう?」

「いやいや、だって俺、あの人が女性と一緒に歩いているの見たもん」

「え? そうなのか……!?」

 恭司が一緒に歩いていた女性。
 もしかすると、自分のことなのだろうか?
 
(だって、最近いつも一緒に過ごしているのは私だったし……)

 ドキドキドキドキ。
 心臓が期待で高鳴っていく。
 そうして、男性社員が口を開いた。

「そうなんだよ。昨日、たまたま京都駅で見たんだ。俺も遊びに行ってたんだけど、ちょうどすれ違ってさ。着物のすごく綺麗な女性」

 ――美桜は衝撃を受けた。

(京都駅? 着物のすごく綺麗な女性?)

 胸がざわついて落ち着かない。

(昨日は恭司さん、関西に出張だって話していた。取引先の相手がたまたま女性だっただけよ)

 美桜は何度か深呼吸をすると気持ちを落ち着ける。

「ほら、見てみろよ。WEBに写真も載ってるぜ」

「あの人、顔出しNGだったろう? 写真載せても大丈夫なのか? 載せたやつ、マジで殺されそう……」

 心臓が落ち着かない。
 彼らの言う通り、そもそも恭司は写真掲載を拒んでいたはずなのだ。
 だから、WEBに掲載されている写真だって虚偽のものかもしれない。
 どうにも落ち着かない気持ちを落ちつけたくて、震える指で検索してみることにした。

(御影、社長、結婚……)

 調べたら、すぐにヒットした。
 今日の昼のニュースのようだ。
 けれども、そこに掲載されていたのは……。
< 105 / 179 >

この作品をシェア

pagetop