冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい
「そういやあ、どうして俺ん家に入れてるんだ?」
「悪いな、恭司。実はお前の鍵を預かったものだから」
「鍵を預かった……?」
そうして、難波が恭司にマンションの鍵をずいっと突きつけてきた。
「ああ、梅田美桜ちゃんだよ」
昨日は難波に連れて帰ってきてもらったから、美桜のことを見られていたのだろう。
「昨日のお前の様子が心配だったから、近くに来てたんだけど、たまたま梅田美桜ちゃんに出くわしてさ。そうしたら、『恭司さんの具合が悪そうだから』って合鍵を渡してきたんだ」
恭司はなんとなくバツが悪くなってしまって、そのまま俯いた。
難波が眉を寄せながら謝罪してくる。
「悪かった、何も知らずに、あの子と順一の話とかしたりして……」
「いいや……俺も教えてなかったしな」
しばらく無言だった二人だったが、難波が口を開いた。
「大丈夫なのか? お前は」
「何がだよ?」
「順一と梅田美桜ちゃんのことだよ」
恭司はのろのろと顔を上げた。
難波がスマホの画面を突きつけてくる。
「ニュースになってる」
「何が……だ」
恭司は瞠目した。
漆黒の瞳が忙しなく揺れ動く。
画面に書かれていたのは――。
『新宮家の御曹司、社長就任とともに婚約発表予定』
一瞬文字列がただの羅列に見えた。
けれども、目が追いたくない情報だけを拾ってくる。
掲載されている内容は、新宮順一が新社長に就任するに当たって、副社長に就任予定の男性社員の長女と結婚することになったという話だった。
(順一と美桜……)
心臓がいよいよおかしくなって壊れてしまいそうだった。
このまま身体が崩壊してしまうのではないかというぐらいに。
だんだんと言葉の意味の理解が進むにつれて――いっそこの世から消失してしまいたい衝動に駆られる。
「恭司、大丈夫か? 俺にもわざわざメールが届いてたし……あの子も実家に帰るって話してはいた」
恭司は正気に戻ると、なんとか言葉を口にする。
「あいつが結婚するって決めたんなら、仕方ないだろう」
すると、難波が呆れたように告げた。
「おいおい、バカだな、お前。あの子が自分で決めた話だと思っているのか?」
「……あいつは、俺のところからは自分で出て行ったんだ。だから……」
恭司の言葉の歯切れが悪くなる。
「そんなわけないだろう? 気弱なお前を見るのは珍しすぎて、明日は雹が降りそうだな……お前のことがどうでも良いなら、わざわざお前のことを俺に頼んだりしないって。合鍵だって置いて出ていくさ……俺のカミさんみたいに……」
難波の軽口に言葉を返す気力もない。
けれども、恭司はポツポツと口にした。
「お前は知らないだけだ。あいつは誰にでも優しいんだ。だから、好きな男の順一だけじゃなくて、俺に対しても優しいだけにすぎない」
難波が頭をガリガリかきながら天井を見上げる。
「悪いな、恭司。実はお前の鍵を預かったものだから」
「鍵を預かった……?」
そうして、難波が恭司にマンションの鍵をずいっと突きつけてきた。
「ああ、梅田美桜ちゃんだよ」
昨日は難波に連れて帰ってきてもらったから、美桜のことを見られていたのだろう。
「昨日のお前の様子が心配だったから、近くに来てたんだけど、たまたま梅田美桜ちゃんに出くわしてさ。そうしたら、『恭司さんの具合が悪そうだから』って合鍵を渡してきたんだ」
恭司はなんとなくバツが悪くなってしまって、そのまま俯いた。
難波が眉を寄せながら謝罪してくる。
「悪かった、何も知らずに、あの子と順一の話とかしたりして……」
「いいや……俺も教えてなかったしな」
しばらく無言だった二人だったが、難波が口を開いた。
「大丈夫なのか? お前は」
「何がだよ?」
「順一と梅田美桜ちゃんのことだよ」
恭司はのろのろと顔を上げた。
難波がスマホの画面を突きつけてくる。
「ニュースになってる」
「何が……だ」
恭司は瞠目した。
漆黒の瞳が忙しなく揺れ動く。
画面に書かれていたのは――。
『新宮家の御曹司、社長就任とともに婚約発表予定』
一瞬文字列がただの羅列に見えた。
けれども、目が追いたくない情報だけを拾ってくる。
掲載されている内容は、新宮順一が新社長に就任するに当たって、副社長に就任予定の男性社員の長女と結婚することになったという話だった。
(順一と美桜……)
心臓がいよいよおかしくなって壊れてしまいそうだった。
このまま身体が崩壊してしまうのではないかというぐらいに。
だんだんと言葉の意味の理解が進むにつれて――いっそこの世から消失してしまいたい衝動に駆られる。
「恭司、大丈夫か? 俺にもわざわざメールが届いてたし……あの子も実家に帰るって話してはいた」
恭司は正気に戻ると、なんとか言葉を口にする。
「あいつが結婚するって決めたんなら、仕方ないだろう」
すると、難波が呆れたように告げた。
「おいおい、バカだな、お前。あの子が自分で決めた話だと思っているのか?」
「……あいつは、俺のところからは自分で出て行ったんだ。だから……」
恭司の言葉の歯切れが悪くなる。
「そんなわけないだろう? 気弱なお前を見るのは珍しすぎて、明日は雹が降りそうだな……お前のことがどうでも良いなら、わざわざお前のことを俺に頼んだりしないって。合鍵だって置いて出ていくさ……俺のカミさんみたいに……」
難波の軽口に言葉を返す気力もない。
けれども、恭司はポツポツと口にした。
「お前は知らないだけだ。あいつは誰にでも優しいんだ。だから、好きな男の順一だけじゃなくて、俺に対しても優しいだけにすぎない」
難波が頭をガリガリかきながら天井を見上げる。