冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい
順一が咳ばらいをした後、恭司に向かって意気揚々と告げた。
「恭司兄さん、この場所にちょうど株式所有してる奴らも勢揃いしとるわけやし、株主総会みたいに多数決とったらええんちゃう? 過半数以上取れたら勝ち、美桜ちゃんの旦那さま兼新当主の父親になるってことで? どないやろう? 実際に新宮家の跡を継ぐってなったら、ここにいる人たちの賛同を得らんといかんわけやし? 父さんもこの場にはおらんし」
「ん? シンプルで良いな、別に俺はそれで構わない」
「じゃあ、皆に手上げしてもらおうか」
兄弟の会話を耳にして、美桜はキョトンと首を傾げた。
(多数決……? 手上げ……? 株主総会?)
なんだか急に中学生の生徒会選挙みたいなノリになってきたような……?
すると、恭司が美桜に説明してくれる。
「事業譲渡する時、本来は取締役会やら株主総会の手続きやら議席数がどうとか色々あるんだ。そもそもが、まだ生まれてもいないお前の子どもに譲渡制限株式を相続するとかいうとんでもない話だから……まあ、お前はとりあえず気にしないで良い」
新宮環が恭司に向かってヒステリックに叫ぶ。
「恭司! 世迷いごとを抜かしよって! あんたなんかに誰も賛同するわけないやろう!?」
しかしながら、恭司は彼女をチラリと一瞥しただけだった。
「そんなら、僕が美桜ちゃんの旦那さんの方が良い人! 忖度はいらへんで!」
順一が手を上げながら促した。
貴賓席の何人かがパラパラと挙手していた。
環の表情を見て手を挙げている者たちもいる。
おそらく事態についていけずに動向を見守っている者たちが多数といったところなのだろう。
美桜は恭司と順一の姿をハラハラしながら見つめた。
(恭司さん、新宮一族の皆には嫌われてたって話していたはず。多数決方式だとかなり不利なんじゃ?)
そもそも――先程の恭司の話だと、この多数決事態もやる必要性がない可能性がある。
ドキドキしながら見守っていると、次は恭司の番だった。
順一が明るい調子で述べる。
「恭司兄さんが美桜ちゃんの旦那様の方が良い人」
すると、「御影は上場企業だ」「坊ちゃんの会社は出来たばかり、どうなるか分からん」「勝ち馬に乗りたい」「実は裏で話があって……」「やはり才能があったのは兄の方」といったひそひそ話をしながら、役員たちが次々と手を挙げていく。周りも影響を受けているのか、どんどん挙手をはじめる。
(恭司さん、すごい……会社経営の実力を認められているんだ。周りの人たちが手を挙げてる……!)
美桜は内心感動してしまう。
その時。