冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい
「美桜」
背後に立っている恭司が耳元で囁いてくる。
彼が少しだけ前かがみになったので、結合部がぐちゅりと音を鳴らした。
「最初に会った時は、だいぶ子どもだと思ったりもしていたが……今のあんたはだいぶ扇情的な大人の女だな」
「シチュエーションの問題で大人に見えている感じですか……?」
「まあ、それもあるが……」
恭司の両手が美桜の両手に重なってくる。指同士が絡みあった。
以前もまるで恋人のようだと思ったけれど、晴れて両想いになったのだと思うと、これまで以上に気分が高揚していく。
「成長した。だいぶ印象が変わったんだ。ハッキリものを言うようになったし、行動自体も大胆になったと思ったんだよ。そうだな俺の目には綺麗な大人の女に見える」
「それだったら、嬉しいです……」
恭司がサラサラの黒髪をかき上げた後、美桜の中から身体を軽々とお姫様抱っこした。
「それにしたって、すぐにバテるな」
「……恭司さんが体力お化けなだけなんです。普通の人たちはそうでもないんです」
「普通って言い方はあまり適切じゃあないな。人間、個体差があるもんだし、そもそも人によって普通の基準は違う。俺からしたら間違いなく、お前は体力がない」
「……せっかくだから、もっと優しい言葉かけが欲しいです」
「まあ、これだけ反論できるなら、まだまだ余裕があるってことだな」
「っ……!」
どうやら墓穴を掘ったようだ。
ひろびろとした清潔なベッドの上には、愛らしい薔薇の花びらが散らばっていた。
ベッドの上に恭しく横たえられる。
ギシリ。
ベッドが軋む音がすると、恭司が乗り上げてきた。
「俺の嫁になるんだし……そもそもいっぱい増やすんだろう? 体力つけた方が良い」
美桜はふと気になることを尋ねてみることにする。
「そういえば、恭司さんがいつも話してるいっぱい増やすって、ペットのことですよね?」
「ん?」
「マンションを探したりするのも、ペットをたくさん飼うためなんだなって、恭司さんは人間も動物も……すごく面倒見が良いんですね」
すると。
恭司が顎に手を添えて、斜め上を眺めながら考え事をしていた。
「あれ? 違うんですか? だったら、その……こういうことをする回数ってことですか?」
美桜は自分で問いかけながら恥ずかしくなってしまった。
「そうだな。まあ、ある意味、その解釈で間違ってはいないか……?」
「あれ? 違うんですか?」
美桜の頭の上に疑問符が浮かんだ。
「あんたが先に言い出したんだろう? だから俺はあんたが結婚してほしいって遠回しに言ってきてるもんだとずっと思っていたんだが……そうしたら、順一が出てきたもんだから」