冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい
翌日、クリスマスを迎えた。
「むう」
美桜は朝陽で目が覚めた。
もちろん恭司の腕の中である。お互い生まれたままの姿のまま、朝方から眠りに就いていたのだった。彼から結構きつく抱きしめられているせいで、なんだか身動きがとりづらいのだけれど……。
(両想い、すごく嬉しい)
美桜は嬉しくて笑顔が自然と零れてくる。
恭司は朝が弱いらしいので、起きるのをじっと見守ることにした。
(男の人なのに睫毛が長い、すごく凛々しくて男性らしいイケメンさん。しかも仕事ができるすごい人)
身体の関係になってしまったことも衝撃だったのに、まさかこんな素敵な男性の妻になれるなんて……。
美桜はうっとりしてしまった。
恭司の睫毛がふるりと震える。気だるげに瞼を持ち上げた後、野生の獣のように大きくあくびをした。ただ欠伸をしているだけなのに、そんな姿もカッコいいとか反則である。
「ああ、よく寝たな」
そうして、まだ寝ぼけ眼のまま、美桜にちゅっと口づけてくるではないか。
「ひゃっ」
「わりと眠りが浅い方なんだが、あんたの抱き心地がすごく良いおかげで、睡眠の質が上がったよ。助かった」
お礼を言われるとなんだか嬉しい。
「お役に立てたなら光栄です」
「なんだか堅い言い回しだな。ああ、そうだ。せっかくのクリスマスだから、勝手にお互い休暇にしておいたんだ」
美桜はハッとなった。
「職権乱用したんですね」
「言い方が悪いな、普段働きづめだから、年休消化できてないんだよ」
「……なるほど?」
すると、恭司が美桜のことを先ほど以上に強く抱きしめてくる。
「それでだ。俺たち休暇になったわけだし……」
「はい、休暇になったんですよね?」
美桜はキョトンとしていたが、ハッとなる。
「まさか……?」
「そのまさかだ」
恭司が唇の端をニヤリと持ち上げた。
「夜はできたばかりの高層ビルの最上階にあるレストランを予約しておいたんだ。そこに行くまでは時間がある」
「すごく高いディナーのレストラン! あれ? 恭司さんって高いところが苦手ですよね?」
「ああ、そういえばそうだったな」
すっとぼけているような気もしないでもないのだけれど……。
「まあ俺のことはともかくだ。夜まで時間がある。それまであんたの身体を開発しておくのも悪くはないなって……」
「開発……? 朝まで何回もしたばっかりでしたよね?」
「そうだったかな? 俺としてはまだまだ物足りなかったからな」
「あんなにしたのに?」
「ん? 世間一般の新婚夫婦なんて、もっとしてるだろうさ」
そうして、恭司が美桜の頬に口づけを落としはじめる。
彼の大きな掌が彼女の背から臀部にかけてを優しい手つきで擦りはじめた。
「あっ、恭司さん、待ってっ……」
彼が尾てい骨のあたりを、触れるか触れないかぐらいのタッチで触れると、美桜は毒気を抜かれた猫かのようにふにゃんとなってしまった。
「……あぅ……」
「身体の方は素直だな」
(恭司さんに触れられるだけで体が反応するようになってる……!)
由々しき事態だ。
そうして、恭司が口の端をゆるりと吊り上げる。
「朝から激しく動いていたら……今日の夜もよく眠れそうだ」
(恭司さんの奥さん、毎日こんななのかな? すごく大変なんじゃ!?)
「俺以外のものに気を取られるなよ、美桜」
「恭司さん、ダメっ…………」
美桜は心の中で体力をつけようと心に決めたのだった。