冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい
すると、老人が呵々ッと豪快に笑うと語り掛けてくる。

「いいや、気になさらんでや。実は、昔からの知り合いがおってな。ほんまの飼い主はそっちやってんけど、先日死んでしもうたんや。せやから、儂が引き取ることになってな。そいつが死ぬ前に色々手続き済まして、この間葬儀も済んだし、連れて帰って来たんやけど、どっかに行ってもうて心配してたんや」

「そんな事情がおありだったんですね」

 つまり、黒猫ミオの本当の飼い主はもう他界しているということだ。
 美桜の胸がなんだか切なくなってくる。

「まあ、儂の知り合いも、拾いたてやったみたいやけどな。だから、飼い主は誰でも良いんや。この子が気に入ってる場所で、自由にのびのび過ごしてもらえるのが一番や。こんな可愛いお嬢さんに世話してもろて良かったな、タマ」

 老人がミオに向かって嬉しそうに微笑みかけた。

「ミャオ!」

「ミオちゃんの本名はタマちゃんだったのね?」

「みゃう!」
 
 黒猫ミオが愛想よく笑った。

「ミオか、可愛らしい名前や。もうタマとは呼べんな」

 美桜は老人に向かって笑顔で話しかけた。

「ミオちゃんもタマという名前で反応するみたいですし、ぜひ呼びやすいお名前で呼んであげてください」

「そうさせてもらおうか」

 老人も嬉しそうに微笑んだ。

「よくこちらには散歩に来ますので、ぜひこれからも会ってあげてください」

「それはありがたい」

 老人はしばらくミオを撫でて遊んであげた後、「そろそろ時間や」と言って、公園から立ち去って行ったのだった。
 美桜はミオを抱きしめながら、和装の老人の背中を見つめる。

「喋り方は関西の人だったな」

 関西の知り合いといえば、前の上司の新宮部長のことを思い出す。

「顔の怖い雰囲気は恭司さんみたいだったな」

 見た目が怖いけど、喋ると優しいところが、なんとなく似ていると思った。


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