泡沫の月に幽玄の狼

実家の周りには野次馬がたくさん群がっていた。
わたしはその中、実家に住む両親と弟がいないかを必死に探した。

しかし、家族の姿は見つけられず、近所のおばさんから家族がまだ家から出て来ていない事を聞いた。

「そんなぁ···!お父さん!お母さん!優太ぁ!」

わたしはそう叫びながら、家族を探しに行こうと燃え盛る炎の中へと飛び込もうとした。
しかし、飛び込もうとしかけた時に近所の人たちから止められてしまった。

わたしは泣きながら、叫び続けた。
泣きながら、両親と弟の顔を思い浮かべていた。

その後、近所の人の通報により消防車が数台到着し、消火活動が行われたが、実家は全焼···―――
中からは、真っ黒い姿になった両親と弟の遺体が見つかった。

そして、わたしは炎の中に飛び込もうとした際に服に燃え移った火によりお腹や背中、首にまで中度の火傷を負ってしまったのだ。

実家が火事に遭った後、警察が捜査に入った。
偶然にもその捜査は、絃士が担当だった。

その捜査の結果、出火元は外から···
つまり、放火だったのだ。

それから、わたしの実家に放火をした犯人を見つける為の捜査が行われた。
元々正義感が強く、仕事熱心な絃士だったが、わたしの為に必死に犯人を見つけようとしてくれた。

それから捜査は長期に渡った。
わたしは家族を失った悲しみと火傷の跡から、心身ともに意気消沈していた。

そんな中でも、絃士はわたしを支えながら、必死に犯人を見つけようとしてくれた。

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