泡沫の月に幽玄の狼
そして貴博は、口付けたわたしの首元から肩、背中までわたしの火傷の跡を辿りように指を這わせた。
「こんな身体を愛せる奴は、俺の他にいないよ。俺以外の男は、きっと気持ち悪がるだろうな」
貴博はわざとらしくそう言って、わたしの気持ちを落ちこませる。
そして、わたしの頬に手を添えると、わたしを見つめた。
「俺だから、愛せるんだよ?」
貴博はそう言うと、ふとソファーから立ち上がり、わたしを軽々と抱き上げた。
それから当たり前のように寝室へ向かい、電気の消えている薄暗い寝室に入り、ベッドの中央にわたしをゆっくりと下ろした。
「都子、俺には全てを見せて?」
そう言い、貴博はベッドの脇に置いてあったリモコンを使って、寝室の電気を点ける。
そして、わたしに覆い被さると、わたしの服を捲り上げた。
「ちょ、ちょっと貴博···」
「何だよ、俺にも見られたくないのか?」
「そ、そうじゃなくて···」
「じゃあ、問題ないよ」
そう言って、貴博は嫌がるわたしの気持ちを無視し、服を脱がせ、首元に顔を埋めた。
わたしの火傷の跡を辿るように首から肩にかけ愛撫して、そのあとはお腹···、わたしを俯せにさせ背中に舌を這わせる。
これが貴博なりのわたしの愛し方だった。
しかし、わたしはそれを嬉しいと思った事はなかった。
貴博は自分の気が済むまでわたしの身体を愛撫すると、その続きを求めてくる。
深いキスを繰り返しながら、下着を脱がせ、自分の服も脱いでいく。
それから避妊もせずにわたしの中へと思い切り入ってくる。
「都子、愛してるよ」
貴博はわたしの耳元でそう囁きながら、何度もわたしの中を突く。
最終的には、わたしを俯せにし、後ろから何度も深く深く激しく突き上げ、そして中で果てるのだ。
これが貴博の愛し方のお決まりのパターンだった。