女除霊師の密かごと
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俺は立ち尽くしていた。
足が鉄の鎖で縛り付けられているかのように重たい。
ここは白露院が作った空間の中だ。俺の意思は白露院に閉じ込められている。最初の頃は猫を通して外の世界と意思疎通をすることが可能だった。でもそれも、最近はできていない。
その時。
闇の中に、異質な気配がふっと差し込んだ。
コツ、コツ……と、規則的な足音がした。
――誰か入ってきた。白露院に取り込まれた、新しい生徒だろうか。
俺は静かに顔を上げる。
そこに立っていたのは、背の高い男だった。ラフに着崩した制服、ポケットに突っ込んだ両手、明るい髪。軽薄な印象を受ける格好だ。
しかし、俺はこの人を知っている。
「なんや、変なところに取り込まれてしもたなあ」
男は愉しげに、軽い口調でそう言った。
――真中清光。
テレビでよく見る、優眠ちゃんの兄だ。