きみが光るたび、淡くなる
「じゃあ、解散。ゆっくり寝るんだぞ」
夜9時ごろ。
そろそろ部屋に戻って各々過ごす時間にしようと解散させ、私も自分の部屋に戻ろうと階段を降りると。
「あ、雨瑠ちゃん。ちょっと待って」
なにかを持った月葵に呼び止められ、立ち止まると月葵が駆け寄ってきた。
「はい、これね。プレゼント」
あぁ、てっきり用意してないから『置いてきた』と言ったのかと思っていたが、ちゃんと買ってあったらしい。
それどころか、アパートの廊下の電気で照らされた袋には、高級アクセサリーブランドのロゴが見えたような・・・。
「・・・なんだ、それは」
恐る恐るそう訊くと、月葵はコテンと首を傾げ、笑う。
「ん?プレゼントだよ。あ、中入っていい?」
「あ、あぁ・・・どうぞ」
ニコニコと合鍵を取り出し、慣れたように私の部屋に入る月葵。
慣れているように見えるのは、他のメンバーの部屋に出入りしているからだと信じたい。
「座って~」
月葵の指示通りにソファーに座ると、月葵が私の足元・・・つまり床に跪く。
「え、なにを・・・」
「ちょっとじっとしててね~」
袋から手のひらサイズの箱を取り出す月葵。
・・・諦めよう、このロゴは高級アクセサリーブランド『SERENEL』のものだ。
ブレスレッドのような銀のアクセサリーを取り出した月葵は、そのアクセサリーを私の左足首につける。
「それって・・・」
「アンクレットだよ」
ハートの留め具に、蝶が数個付いた華奢なデザインのアクセサリー・・・アンクレット。
「俺だと思ってずっと外さないでね。・・・ふふ、可愛い。似合うね」
・・・いやいや、ツッコみどころが多すぎる。
まずこのブランドは物凄く高い。
いくらしたんだって今すぐ問い詰めたい。
だって、財閥の娘である私が、誕生日にもらうようなプレゼントだ。
少なくともバイトが買うとしばらくは貧乏生活になるような・・・つまり資産みたいなもの。
そして、『俺だと思って』ってなんだ。
驚き過ぎて手元を見ていなかったせいで、一度外すと2度と自分では付けられなさそうなので、外しなしないが、・・・同じようにつけられては心臓がもたないからな。
「ちゃんと受け取って。これは、最初の俺からのプレゼント。・・・誕生日プレゼントだって、あげたかったのに」
少し拗ねたように胡坐をかく月葵。
私の誕生日は出会ったころには過ぎていて、後々『渡す』と言われたものの、面倒だったので断固として受け取らなかった。
それをまだ根に持っているとは・・・。
「・・・無理して高いものを買わなくても、手作りだって嬉しいぞ?」
『最初のプレゼント』という言葉に危機感を覚えた私がそういうと、月葵は憂い気に髪をかきあげる。
「・・・ねぇ、アンクレットの意味知ってる?」
「・・・いや、アンクレットというアクセサリーがあること自体初めて知ったが」
知ったかぶる必要もないので素直にそう答えると、月葵が少し笑って、アンクレットに触れた。
少し足首にも触れられて、体がビクリと跳ねる。
「アンクレットは、独占欲の象徴。足枷みたいだからね。そして、左足首につける意味は・・・『恋人がいる』。虫よけの意味も込めてね」
「・・・っな、」
悪戯っ子のように笑った月葵は紙袋や箱をすべて回収すると、にっこりと笑って帰って行った。
『独占欲』『虫よけ』
月葵が言った言葉の意味を理解すると、顔が熱くなってくるのを感じる。
「あ、あいつ・・・っ」
とんだ人たらしだ。
でも・・・。
顔を赤くしたままアンクレット触れると、ひんやりと冷たい。
そのハートの留め具が確かに足枷みたいで・・・。
「・・・っ、なに考えてるんだ・・・」
自分らしからぬ行動に、私は思わずソファーに置いてあるクッションに顔をうずめた。
夜9時ごろ。
そろそろ部屋に戻って各々過ごす時間にしようと解散させ、私も自分の部屋に戻ろうと階段を降りると。
「あ、雨瑠ちゃん。ちょっと待って」
なにかを持った月葵に呼び止められ、立ち止まると月葵が駆け寄ってきた。
「はい、これね。プレゼント」
あぁ、てっきり用意してないから『置いてきた』と言ったのかと思っていたが、ちゃんと買ってあったらしい。
それどころか、アパートの廊下の電気で照らされた袋には、高級アクセサリーブランドのロゴが見えたような・・・。
「・・・なんだ、それは」
恐る恐るそう訊くと、月葵はコテンと首を傾げ、笑う。
「ん?プレゼントだよ。あ、中入っていい?」
「あ、あぁ・・・どうぞ」
ニコニコと合鍵を取り出し、慣れたように私の部屋に入る月葵。
慣れているように見えるのは、他のメンバーの部屋に出入りしているからだと信じたい。
「座って~」
月葵の指示通りにソファーに座ると、月葵が私の足元・・・つまり床に跪く。
「え、なにを・・・」
「ちょっとじっとしててね~」
袋から手のひらサイズの箱を取り出す月葵。
・・・諦めよう、このロゴは高級アクセサリーブランド『SERENEL』のものだ。
ブレスレッドのような銀のアクセサリーを取り出した月葵は、そのアクセサリーを私の左足首につける。
「それって・・・」
「アンクレットだよ」
ハートの留め具に、蝶が数個付いた華奢なデザインのアクセサリー・・・アンクレット。
「俺だと思ってずっと外さないでね。・・・ふふ、可愛い。似合うね」
・・・いやいや、ツッコみどころが多すぎる。
まずこのブランドは物凄く高い。
いくらしたんだって今すぐ問い詰めたい。
だって、財閥の娘である私が、誕生日にもらうようなプレゼントだ。
少なくともバイトが買うとしばらくは貧乏生活になるような・・・つまり資産みたいなもの。
そして、『俺だと思って』ってなんだ。
驚き過ぎて手元を見ていなかったせいで、一度外すと2度と自分では付けられなさそうなので、外しなしないが、・・・同じようにつけられては心臓がもたないからな。
「ちゃんと受け取って。これは、最初の俺からのプレゼント。・・・誕生日プレゼントだって、あげたかったのに」
少し拗ねたように胡坐をかく月葵。
私の誕生日は出会ったころには過ぎていて、後々『渡す』と言われたものの、面倒だったので断固として受け取らなかった。
それをまだ根に持っているとは・・・。
「・・・無理して高いものを買わなくても、手作りだって嬉しいぞ?」
『最初のプレゼント』という言葉に危機感を覚えた私がそういうと、月葵は憂い気に髪をかきあげる。
「・・・ねぇ、アンクレットの意味知ってる?」
「・・・いや、アンクレットというアクセサリーがあること自体初めて知ったが」
知ったかぶる必要もないので素直にそう答えると、月葵が少し笑って、アンクレットに触れた。
少し足首にも触れられて、体がビクリと跳ねる。
「アンクレットは、独占欲の象徴。足枷みたいだからね。そして、左足首につける意味は・・・『恋人がいる』。虫よけの意味も込めてね」
「・・・っな、」
悪戯っ子のように笑った月葵は紙袋や箱をすべて回収すると、にっこりと笑って帰って行った。
『独占欲』『虫よけ』
月葵が言った言葉の意味を理解すると、顔が熱くなってくるのを感じる。
「あ、あいつ・・・っ」
とんだ人たらしだ。
でも・・・。
顔を赤くしたままアンクレット触れると、ひんやりと冷たい。
そのハートの留め具が確かに足枷みたいで・・・。
「・・・っ、なに考えてるんだ・・・」
自分らしからぬ行動に、私は思わずソファーに置いてあるクッションに顔をうずめた。