きみが光るたび、淡くなる
まず絹とこたがいる『ルクルクroom』に行くと、ドアの前に『気にせず入っていいよ!』と貼り紙があった。
私が来ることを見越していたのか、と苦笑しながら鍵のあいた部屋にそっと入る。
「あ、来た来た。予想よりはやかった」
「うーやん!この曲めっちゃいいね!」
同時に振り返る仲良し兄弟のような2人に寄ると、真ん中のテーブルには、すでに色々と書き込みがされた歌詞カードがあった。
「・・・あと数枚持ってくる」
「ん?ありがと、助かる」
とても真剣に考えてくれてるようなので、一度戻って5枚ほど新しい歌詞カードを持ってきて渡す。
「こたは地味に大変だな。MV用とテレビ用の振付が必要だ」
「うん。CDデビューで必然的に注目を受けて1回くらいはテレビに出させてもらえるから、その1回に懸けるくらいの演技にしないと」
末っ子で甘えん坊、愛されキャラなこたは、意外と現実主義者だ。
「俺的にはね、こったのキャラメルボイスを武器にしてほしいんだよなぁ」
歌の割り振りとともに歌指導も担当する絹が、うーんと首をひねる。
「んもうっ・・・絹ちゃん好き♡」
「おう離れろ暑苦しい。・・・ん-、いや、悩むなぁ・・・」
本当はCDデビューまでのスケジュールを伝えに来たんだが、集中していそうだったので、他の2曲と一緒にグループチャットで送ることにした。
「なにかわからないことがあったら聞いて。こた、スタジオが使いたければすぐ手配するから」
・・・というか、すぐそこに我が家が所有しているスタジオがある。
ちゃんと正面が鏡張りになっているし、ある程度の広さもあるし、ただで使わせてもらえるからちょうどいいだろう。
「うん、ありがと!」
「頑張って」
小さな声でぶつぶつとなにかを呟き続ける絹とこたにそう声を掛けて、私はその部屋を出た。
次に行ったのは、消去法で当たり前に月葵の部屋だ。
ただ、1週間前のアンクレット事件(私命名)以来、月葵と2人きりで話していない。
・・・まぁ、アンクレットは外していないが。
月葵の部屋の前には、『雨瑠ちゃん入っていいよ』と、『ルクルクroom』同様に貼り紙が。
少しだけ緊張で速くなった心臓を落ち着かせ、当たり前のように鍵の空いたその部屋に入る。
「・・・月葵?順調か?」
声が震えないように意識してそう問いかけると、真ん中のテーブルに向かって胡坐をかく月葵は、こちらに背を向けたまま
「うん、楽しいよ」
と返事をした。
1週間前の甘さが嘘のように、前と同じように接してくる月葵に内心驚く。
私が来ることを見越していたのか、と苦笑しながら鍵のあいた部屋にそっと入る。
「あ、来た来た。予想よりはやかった」
「うーやん!この曲めっちゃいいね!」
同時に振り返る仲良し兄弟のような2人に寄ると、真ん中のテーブルには、すでに色々と書き込みがされた歌詞カードがあった。
「・・・あと数枚持ってくる」
「ん?ありがと、助かる」
とても真剣に考えてくれてるようなので、一度戻って5枚ほど新しい歌詞カードを持ってきて渡す。
「こたは地味に大変だな。MV用とテレビ用の振付が必要だ」
「うん。CDデビューで必然的に注目を受けて1回くらいはテレビに出させてもらえるから、その1回に懸けるくらいの演技にしないと」
末っ子で甘えん坊、愛されキャラなこたは、意外と現実主義者だ。
「俺的にはね、こったのキャラメルボイスを武器にしてほしいんだよなぁ」
歌の割り振りとともに歌指導も担当する絹が、うーんと首をひねる。
「んもうっ・・・絹ちゃん好き♡」
「おう離れろ暑苦しい。・・・ん-、いや、悩むなぁ・・・」
本当はCDデビューまでのスケジュールを伝えに来たんだが、集中していそうだったので、他の2曲と一緒にグループチャットで送ることにした。
「なにかわからないことがあったら聞いて。こた、スタジオが使いたければすぐ手配するから」
・・・というか、すぐそこに我が家が所有しているスタジオがある。
ちゃんと正面が鏡張りになっているし、ある程度の広さもあるし、ただで使わせてもらえるからちょうどいいだろう。
「うん、ありがと!」
「頑張って」
小さな声でぶつぶつとなにかを呟き続ける絹とこたにそう声を掛けて、私はその部屋を出た。
次に行ったのは、消去法で当たり前に月葵の部屋だ。
ただ、1週間前のアンクレット事件(私命名)以来、月葵と2人きりで話していない。
・・・まぁ、アンクレットは外していないが。
月葵の部屋の前には、『雨瑠ちゃん入っていいよ』と、『ルクルクroom』同様に貼り紙が。
少しだけ緊張で速くなった心臓を落ち着かせ、当たり前のように鍵の空いたその部屋に入る。
「・・・月葵?順調か?」
声が震えないように意識してそう問いかけると、真ん中のテーブルに向かって胡坐をかく月葵は、こちらに背を向けたまま
「うん、楽しいよ」
と返事をした。
1週間前の甘さが嘘のように、前と同じように接してくる月葵に内心驚く。