きみが光るたび、淡くなる
「楽しくなりそうだね、雨瑠ちゃん」
「・・・ん?あぁ、そうだな。とりあえずスタート地点には立てたんじゃないか」
すっと隣に来た月葵。
一年前、月葵に抱いてしまった感情を捨ててからは、特に何も思うことなく接している。
「雨瑠ちゃんは相変わらずアンクレットつけてくれてるんだよね」
「あぁ・・・そうだな」
1年もたてば外し方も着け方も分かるが、それでも変わらず身に着けているのは、私の未練、だろうか。
「嬉しいな。こうしてこのメンバーでメジャーデビューできるなんて。・・・最初のお願い、きいてくれてありがとう」
『メンバーは変えないでください』と、月葵はそう言っていた。
「私も、このメンバーじゃないと駄目だと思ったからな」
もちろん、視線の先には嬉しさを噛み締めるメンバーがいて。
「・・・雨瑠ちゃんってほんと、俺たちのこと宝石を見てるみたいな目で見るよね」
「・・・うん?実際宝物だからな」
今更なにを言っているんだ、と首をかしげると、月葵が苦笑した。
「そーゆー無自覚なところだよね・・・」
・・・なにやら悪口を言われたような気がするんだが。
「あっ、ねぇねぇ!デビュー曲聴きたい!『LUMINA CHORD』!」
「・・・そうか、曲名発表だけして聴かせてなかったな」
メンバー同士でわちゃわちゃしていたこたが突然こちらを見てそう言う。
「・・・流すぞ」
スマホの再生ボタンを押し、イントロが流れ、仮歌が入ってくると・・・。
「・・・」
5人の顔が、ぱっと明るくなった。
< 38 / 68 >

この作品をシェア

pagetop