きみが光るたび、淡くなる

大活躍と、女神の葛藤

冠番組『ルク・オン・チェック!』は好評で、幅広い世代に人気だ。
『きみ色フィルター』の後にリリースした曲は2曲。
冬貴メインの『君がいるだけで』が6700万回再生。
逢メインの『わかってるのに』が9000万回再生。
どちらも、明るいポップなアイドル曲というよりは、バラード寄りの曲だ。
そして・・・。

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「まず5人。不安なことや確認したいことは?」
「ないです」
「大丈夫です」
大きな舞台の上、そう訊くと冬貴と絹が応え、3人も頷く。
「スタッフさんはどうですか?」
顔を見合わせ、首を横に振るスタッフさん総勢300名。
「・・・はい、ありがとうございます。なにかあれば、また連絡して下さい。
ついに明日、本番です。みなさんがたくさん動いてくださったお陰で明日を迎えることができます。本当にありがとうございました。明日からもよろしくお願いします」
マイク伝いの声は、簡単にドーム全体に響き渡る。
「じゃあリーダーから一言」
マイクを冬貴に渡すと、冬貴はマイクの確認をして話し出した。
「えー、今回、LUXEON初の5大ドームツアーをやらせてもらえるということで、俺たちにとって何もかもが未知です。それでも楽しんで、ファンの皆さんが満足して帰れるようなライブにしたいと思っています。これからもお世話になります、よろしくお願いします!」
深く、深く冬貴が頭を下げると、メンバーも同じように、額が膝にくっつきそうなほど頭を下げる。
「では解散で」
冬貴からマイクを回収すると、片付けをするために私たちは舞台から降りた。

その後、LUXEONは衣装から着替え、メイクを落として私の車に乗り込んだ。
「・・・絹だけだな、緊張してないのは」
「そう?・・・うわ、みんなガチガチ」
私がそう指摘すると、絹がメンバーを見回して驚く。
「やばい・・・まさか5大ドームツアーできるとは思わんかった・・・」
「まぁデビューから4年経ってるからな。うるやんがプロデューサーなんだからこれくらい当然でしょ」
「それはそうやけど・・・!」
なかでも一番緊張してるのは冬貴。
リーダーとして11年間、このグループを引っ張ってきたからこそ、他のメンバーよりも感じることが多いだろう。
なにかあった時に泣いてるのだって、いつも冬貴だった。
「絹ちゃんは肝が据わりすぎ・・・!」
「感情が薄いんだよ」
・・・たしかに絹が感情をわかりやすく出しているのは『いただきましゅ』のときくらいだったか・・・。
そして、大変なのがもう1人。
「ど、どうしよう・・・ファンのみんなに失望されたら・・・失敗したらどうしよう・・・!」
「落ち着けこた」
「落ち着けないようーやん!だ、だってこんなに大きなライブ初めてなんだもん・・・!」
「不安なのはわかるがな、こたには頼れるお兄ちゃんがいるだろう」
お兄ちゃん。
最年少の特権、それはメンバー全員が兄のように愛してくれて、頼らせてくれることだ。
「なんかあったらすぐ言うんだよ、こたちゃん」
「どうにかして助けるからな」
冬貴と絹は話してるので、今頼れるお兄ちゃんは月葵と逢の2人。
「誰が失敗しても全員でカバーする。当たり前のことだ」
そう言うと、硬くなっていたこたの顔が少し和らいだ。
「よし、ご飯食べに行くか」
「え?変装してないけど・・・」
「大丈夫」
明日ライブなのでお酒は飲ませないが、信頼できて美味しい店がここ・・・大阪にある。
「期待していいぞ」
少し不安そうな顔をされたので、一応そう言い、私はメンバーを乗せてその店へ向かった。
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