きみが光るたび、淡くなる
月葵が落ち着いたのを見計らってか、律が湯気の立つ料理を運んでくる。
「月葵くん、だっけ~?ホントに安心してね、俺と雨瑠の間にはなぁんにもないから。ね、雨瑠?」
「あぁ、清々しいほどにな」
「それにね、雨瑠はめっちゃLUXEONのこと大好きなんだと思うよ。メンバー個人のこともね。・・・、・・・・・・、・・・」
最後になにを言われたのかは分からないが、律のその一言で、月葵の顔がグッと引き締まった。
「はーい、これリゾットね。熱いから気を付けて~」
「あれ、新作?」
「そう!カルパッチョつくってみた!パンもあるよ」
大きなテーブルを埋め尽くすほど料理が並べられ、リハ終わりで疲れの目立つメンバーの顔がパッと明るくなる。
「デザートも食後もってくるからね」
そう言って律はキッチンに引っ込み、なんと絹が口を開いた。

「みんな手ぇ合わせたっ?」
まさかの、自ら『いただきましゅ』芸の披露。
「美味しいご飯に感謝してっ。いただきまっしゅ!」
「「「「「いただきまっしゅ」」」」」
絹がその気になってくれたのは嬉しいが、急にどうしたんだ・・・?
「珍しいね、っていうか初めてじゃない?」
「ね、お絹からやるなんて」
メンバーが驚く中、絹はスプーンを持ちながら顔を赤くした。
「もう大盤振る舞いだよ。5大ドームツアーの前だから」
なるほど、あまり顔に出していないだけで、絹もかなり気合が入っているのか。
「ほら見て、うーちゃんも嬉しそう」
「こんな嬉しそうなうっさん久しぶりだわ」
「逢くん、そんなこと言ったらまた、つっさんが拗ねちゃうって」
「はぁ?うるさいし・・・」
いや、絹が成長(?)したのに感動して・・・。
だって、絹がこの芸を披露したのは、5年半間が最初で最後だったんだから。
「・・・さめるから早く食べよ。美味しそう」
さすが絹、すぐにいつも通りに戻ってリゾットを食べ始めた。
それを見たメンバーも一度話をやめ、ご飯に手をつける。
「えっうま!」
「もしかして高級料理店?注文もなかったけど」
「メニューがないからな。料理はいつも律の気まぐれで決まる」
毎日メニューが違うから、もちろんこのカルパッチョも初めて。
ただ、どの料理もおいしくハズレがないから、いつも大満足だ。
「明日本番なんだから食べ過ぎるなよ」
LUXEON初の5大ドームツアー。
明日、7月20日から8月19日までの期間、夏休みライブだ。
明日から大阪で2公演、27日に福岡、8月3日に札幌、8月10ぁら名古屋で2公演、17日から東京で3公演・・・の計9公演。
すべてチケットは即完売だった。
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