きみが光るたび、淡くなる
メジャーデビュー曲である『LUMINA CHORD』から始まるライブ。
『もう恋でいい』『あいたい』『ただの好き』『約束』『someday』『愛 加速中』『universe』を披露すると、そこで一度CDデビュー曲である『えのぐ ‐Vivid‐ 』、そのアルバムに含まれる『緑蘭』『白昼夢』挟む。
続いてヒット曲『ひとりごと』、『One・call』『わかってるのに』『Foolish』『帰り道』。
特大ヒットの『きみ色フィルター』、『君がいるだけで』。
最後に、リリース予定がない、ライブ限定定番曲の『ミメーシス』を披露して終了だ。

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最後のライブ場所である東京、3公演中2公演目。
今まさに『ひとりごと』を歌っているのを、ステージ袖の上手で見ている。
ここはメインの指揮の位置で、LUXEONのライブの様子や客席の様子もモニターで確認することができるのだ。

「もう後半戦だね!みんな元気⁉まだ続くよー!」
冬貴の呼びかけにファンがペンライトを振りながら反応し、メンバーは客席に手を振る。
「じゃあ次に曲にいこうかな!体調悪い人はまわりの人にちゃんと言うこと!暑いからね~!」
「それでは行きます!『One・call』!」
月葵と逢のその言葉でパッと照明が落ち、イントロが流れ始めたとたんに客席が沸いた。

「・・・頑張ってるね」
隣でモニターを覗き込む光がそう言い、今までにないほど頑張っているメンバーを見ながら頷く。
「輝いている」
LUXEONはアイドルなのだ。
キラキラと輝き、人に笑顔を与える、立派なアイドルだ。
「もう、遠い存在になりそうだな・・・」
「・・・雨瑠・・・」
そうなるようにしたのは私だ。
売れてほしいと心から願っていたし、売れるように尽力した。
自分らしくなく事務所に頭を下げに行ったり、メンバーと笑いながらいろいろなことを話しあったり。
それでも・・・。
「行ってほしく、ないなぁ」
「・・・うん」
「私の大切な宝物なんだ。ずっと面倒見てきた。もう、離れていきそうでこわいよ」
まるで我が子が独り立ちしていくような気分だ。
嬉しいのに、でももう1人で歩いていけるんだと寂しくなる。
「・・・LUXEONは雨瑠のこと大好きだから、離れて行かないよ」
光のその言葉が慰めのようにしか聞こえず、苦笑を返した。
「いいんだよ、輝いていて欲しいのは本心だ。心から願っている。・・・ただ、もう私がそばにいるのは釣り合わないような気がしてさ」
自分で言って情けなくなるが、気づかないうちに私は、LUXEONと過ごす時間に依存していたのだ。
「・・・雨瑠がそんな風に言ってるのは初めて見たよ。やっぱ、LUXEONはすごいね。雨瑠をこんなに変えられるんだ」
・・・そうだな、LUXEONは私のことを変えてくれたから。
「こんなに遠い存在になって・・・」
もう、触れられないなぁ。
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