きみが光るたび、淡くなる
次の日。
『いつも通り』5時に目が覚めて、『いつも通り』支度する。
あまり疲れがたまらない体質なのか、眠たくもないし疲労感もない。
ただ、いつもと違うのは・・・。
「・・・やってしまった」
もう一度、左足首につけなおしたアンクレット。
それは今度こそ、しっかりと『恋人がいる』という意味で、それを意識すると気恥ずかしくなるが・・・。
「人生最大のやらかしだ・・・」
現実はやっぱり『アイドルに手を出したプロデューサー』で。
お互いの障壁を乗り越えて・・・なんてドラマ的展開も感動シーンもなく、するり・・・いや、ぬるりと付き合ってしまった。
そこのとが、余計に罪悪感を大きくする。
「なんか・・・みんなに会いたいな」
会ったら昨夜のことがバレる可能性だって高まるだろう。
でもやっぱり、会ってたくさん褒めてあげたいし・・・。
「まぁ、まだ5時半なんだけど」
1人で部屋にいることを寂しいと思ったのは、初めてだ。
「・・・行くか」
自分の部屋にいるより、『なめこの味噌汁room』にtるほうが、みんなの存在を感じられて落ち着く。
そんな末期な思考で『なめこの味噌汁room』に行くと。

「・・・え?あ、うるやん?」
「絹・・・?おはよう、早いな」
なんと、そこには早起きな絹が先にいた。
「どーぞ入って。・・・うるやんも早いね」
「あぁ・・・目が覚めてな」
というか絹のほうが早いじゃないか。
「なんか・・・新鮮だね。早朝に会うとか」
「修学旅行みたいだな。・・・疲れは?溜まってない?」
「うん、大丈夫。なんかみんなに会いたくなって」
「・・・私もだ。早朝なのにな」
どうやら、絹も私と同じだったらしい。
こんな時間に誰からくるとは思っていなかったから、私が来て驚いたそう。
「絹と2人、って何気に初めてかもしれないな」
「・・・っ、そうだね、2人の空間は初めてだよ」
何故か少し苦い顔をする絹に、この話題はやめておこうと本能的に感じた。
「なぁ絹?純粋な質問で他意はないんだが」
「ん?なに?」
「結婚願望とかはあるのか?」
「っ⁉」
本当に興味本位で訊いただけだから、そんな大げさに反応されると申し訳なくなってくるぞ・・・。
あと相変わらず目が大きいな、そんな見開くと零れ落ちるぞ。
「っんん、えーっと・・・前まではあった、かな。結婚いいなーって。でもここ数年で結婚はしないって決めた。もちろん恋愛も」
「え・・・まだ24だぞ?決めちゃっていいのか?」
それは女嫌いとか、もしかしてここ数年で女性関係で何かあったのか・・・。
それとも世の女性が全員私みたいな女だと思い込んで、勝手に嫌になってるとか・・・?
もしそうだったら絹にも、世の女性にも申し訳なさすぎる。
「アイドル辞めてからは自由にしていいんだぞ?その・・・私みたいな女は数少ないタイプだから、」
「あはは、だからだよ。うるやんみたいな人は、うるやん以外にいないから・・・」
「え?」
「なんでもないよ。ん-、解散してもこのメンバーでいたいからさ、部外者をこの空間に入れたくないっていうか・・・」
部外者って・・・なんか絹って、恋愛観が兄と似ているな。
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