初恋が君に届くまで
ルーチェ
月曜になり会社に出社したつむぎは、いつものようにまだ誰もいないオフィスでエアコンを調節したり、ポットのお湯を準備していた。

「おはよう。早いな」

後ろから声をかけられて振り返る。

「綾瀬さん、おはようございます。金曜日はありがとうございました」
「こちらこそ」

いたって普通の会話に、つむぎはホッと胸をなで下ろす。

(よかった。金曜日、いつもよりワインを飲み過ぎちゃったから、ひょっとしてまたひとり言を呟いたんじゃないかってあのあと心配になったのよね。でもなにもなかったみたい。綾瀬くん、いつもと変わりないもん)

安心してつむぎは丈のデスクにコーヒーを淹れて運んだ。

「どうぞ。ブラックでしたよね?」
「そう、ありがとう」

「いいえ」と返してから、つむぎは思い出して話し出す。

「綾瀬さん。朝礼が終わったら植木さんに相談して、営業課に行こうかと思っています。例のバー、ルーチェの件で」
「ああ、そうだな。必要があれば俺も同席するよ」
「ありがとうございます。そうしていただけると助かります」
「わかった。じゃああとで」
「はい、よろしくお願いします」

お辞儀をしてから、つむぎは自分のデスクに戻る。

しばらくすると友美や先輩達も出社してきた。

「おはよー、むぎむぎ」
「友ちゃん、おはよう」
「ね、今日は一緒にランチできる?」
「うん、大丈夫だと思う」
「よかった。楽しみにしてるね」

しばらくガヤガヤと賑やかに雑談していると、始業時間の9時になり朝礼が始まった。

課長の植木が簡単に今日の予定や連絡事項を伝えて、「今日も一日よろしくお願いします」と締める。

それぞれがデスクで作業を始めると、つむぎは丈と一緒に植木のデスクに向かった。
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