初恋が君に届くまで
(岡田さん、もしやなにか勘違いを?)
つむぎがそう思っていると、いきなり丈が尋ねた。
「つむぎ、好きな人ができたのか?」
「ええ!? いえ、まだ」
「まだか、残念」
丈は余裕の笑みを浮かべつつ、ビールを飲む。
「なにか食べよう。どれがいい?」
「えっと、なんでも大丈夫です」
「パスタは恥ずかしいんだっけ? くるくる上手にできないから」
途端につむぎは顔を赤く染めた。
「大丈夫です! できますから」
「そう? じゃあボンゴレを頼もうか。あとはブイヤベースと、生ハムとルッコラのサラダと……」
何品かオーダーを済ませると、丈はグラスのビールをひと口飲んでから、テーブルに両腕を載せてつむぎの方に身を乗り出した。
「つむぎ、先に質問に答えておく。つむぎが高校の同級生だということは、フィラートに行った初日にすぐに気づいた。初恋の人だからな。こんなところで再会できたなんてって、感激したよ。だけど妙に意識してしまって、なかなか言い出せなかった。そのうちにバタバタと自社に戻る日が近づいて、つむぎとゆっくり話す機会もなくなって……。送迎会の時、なんとしても連絡先を交換しなければと必死だった。つむぎが二次会に行かないとわかって、強引に俺のアカウントを登録させてもらった。そこでようやくホッとして、つむぎのアイコンを見たら嬉しくてたまらなくて……。酔ってたし、舞い上がってたんだろうな。俺のことを印象づけたくて、切り札みたいに同級生だということを君に伝えた。でなければつむぎは俺のことなんて、すぐに忘れてしまいそうだったから」
つむぎは丈の言葉を意外に思う。
「綾瀬くんでもそんなに自信がなくなることあるの?」
「あるよ、もちろん。だって相手は初恋の人なんだから」
つむぎはその言葉がどうにも納得できない。
「それって本当なの? 全然信じられなくて」
「そこはまあ、正直に言うと別の人とつき合ったことはある。向こうから告白されて。だけど誰かをこんなにも好きになったのはつむぎが初めてだ。それを再認識したよ。間違いなくつむぎが俺の初恋の人だ」
顔が真っ赤になり、つむぎは視線を上げられなくなる。
「ほら、料理来たよ。美味しそうだ。食べよう」
丈が料理を取り分けている隙に、つむぎは恥ずかしさを紛らわそうとビールをゴクゴク飲んだ。
「つむぎ、パスタくるくるしてあげようか?」
「大丈夫です!」
つむぎがスプーンとフォークでパスタをくるくる丸めると、丈が「上手い上手い」と笑う。
つむぎはまたしてもビールをグイッとあおった。
つむぎがそう思っていると、いきなり丈が尋ねた。
「つむぎ、好きな人ができたのか?」
「ええ!? いえ、まだ」
「まだか、残念」
丈は余裕の笑みを浮かべつつ、ビールを飲む。
「なにか食べよう。どれがいい?」
「えっと、なんでも大丈夫です」
「パスタは恥ずかしいんだっけ? くるくる上手にできないから」
途端につむぎは顔を赤く染めた。
「大丈夫です! できますから」
「そう? じゃあボンゴレを頼もうか。あとはブイヤベースと、生ハムとルッコラのサラダと……」
何品かオーダーを済ませると、丈はグラスのビールをひと口飲んでから、テーブルに両腕を載せてつむぎの方に身を乗り出した。
「つむぎ、先に質問に答えておく。つむぎが高校の同級生だということは、フィラートに行った初日にすぐに気づいた。初恋の人だからな。こんなところで再会できたなんてって、感激したよ。だけど妙に意識してしまって、なかなか言い出せなかった。そのうちにバタバタと自社に戻る日が近づいて、つむぎとゆっくり話す機会もなくなって……。送迎会の時、なんとしても連絡先を交換しなければと必死だった。つむぎが二次会に行かないとわかって、強引に俺のアカウントを登録させてもらった。そこでようやくホッとして、つむぎのアイコンを見たら嬉しくてたまらなくて……。酔ってたし、舞い上がってたんだろうな。俺のことを印象づけたくて、切り札みたいに同級生だということを君に伝えた。でなければつむぎは俺のことなんて、すぐに忘れてしまいそうだったから」
つむぎは丈の言葉を意外に思う。
「綾瀬くんでもそんなに自信がなくなることあるの?」
「あるよ、もちろん。だって相手は初恋の人なんだから」
つむぎはその言葉がどうにも納得できない。
「それって本当なの? 全然信じられなくて」
「そこはまあ、正直に言うと別の人とつき合ったことはある。向こうから告白されて。だけど誰かをこんなにも好きになったのはつむぎが初めてだ。それを再認識したよ。間違いなくつむぎが俺の初恋の人だ」
顔が真っ赤になり、つむぎは視線を上げられなくなる。
「ほら、料理来たよ。美味しそうだ。食べよう」
丈が料理を取り分けている隙に、つむぎは恥ずかしさを紛らわそうとビールをゴクゴク飲んだ。
「つむぎ、パスタくるくるしてあげようか?」
「大丈夫です!」
つむぎがスプーンとフォークでパスタをくるくる丸めると、丈が「上手い上手い」と笑う。
つむぎはまたしてもビールをグイッとあおった。