初恋が君に届くまで
ダイニングテーブルで向かい合い、二人で朝食を味わう。

つむぎが作ったフレンチトーストは、どんな高級ホテルのものより美味しかった。

いつも朝はコーヒーだけで済ませていたが、つむぎと食べると食欲が湧いていくらでも食べられる。

「ちょっと足りなかった? 明日はもう少したくさん作るね」

何気なくそう言ったつむぎの言葉に、丈は内心驚いていた。

(明日、明日……。つむぎが明日もいてくれる)

もちろん明日もいてほしいと思っていたが、密かに「もう帰るね」と言われるのではないかと恐れていた。

(いかん、大きく反応してはいけない。当然のことのように余裕を醸し出さねば)

丈は敢えてゆったりと構えて口を開く。

「つむぎ、あとで食材を頼もう。このマンション、アプリで頼めば玄関先まで届けてくれるから」
「そうなのね、すごい! あ、綾瀬くん。食べ終わったらお部屋の寸法測らせて。その為に来たのに、忘れちゃったら大変」

そんなの忘れてくれていい。
なんなら俺とイチャイチャする為に来たのだと、記憶をすり替えたい。

(ダメだ。こんな脳内を見られたら、つむぎにドン引きされる)

丈は必死に真顔を取り繕っていた。
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