初恋が君に届くまで
翌日のクリスマス。
丈に車で会社に送ってもらったつむぎは、いつものようにまだ誰もいないオフィスでポットや加湿器の準備をしていた。

「つむぎ、おはよう」

振り返ると、笑顔の友美が入って来た。

「友ちゃん、おはよう」

つむぎのその言葉は、友美の「きゃー!」という声にかき消される。

「つむぎ、プロポーズOKしたんだね」
「え? あ、うん」

左手の指輪に手をやりながら、事前に知っていたような素振りの友美に首をひねると、つむぎも友美の左手に目が釘付けになった。

「と、友ちゃんもその指輪、もしかして?」
「えへへー、そうなんだ。岡田さんと結婚することにしたの」
「そうなのね、おめでとう!」

二人で興奮気味に手を取り合い、しばらくしてようやく落ち着くと友美がつむぎに話し出す。

「実はね、少し前に綾瀬さんに相談されたの。つむぎの指輪のサイズと好みのデザインを教えてほしいって」
「えっ、綾瀬くんが?」
「そう。それで私と岡田さんのデートに綾瀬さんが合流して、3人でジュエリーショップに行ったの。つむぎに似合いそうな指輪をあれこれ選んでたんだけど、その時私の指輪のサイズや、私が『このデザイン可愛い』って言ったのを、岡田さんが覚えてたみたいで。その日は綾瀬さんだけがつむぎの指輪を買ったんだけど、後日岡田さん一人で買いに行ったんだって。で、昨日プロポーズされたの。もうびっくりよ」
「そうだったんだ。私も驚いたけど、とっても嬉しかった。友ちゃんや岡田さんのおかげだね。ありがとう」
「どういたしまして。とにかくおめでとう、私達!」

あはは!と二人で笑い合い、つむぎはしみじみと幸せを噛み締めていた。
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