初恋が君に届くまで
先生のスピーチや、しゃべりたい人が手を挙げてマイクを握ったりと笑いが絶えないパーティーは、その後も大いに盛り上がった。

「ではお二人による、夫婦としての初めての愛の共同作業。ケーキ、入刀〜!」

促されるまま、つむぎは丈とナイフを握って大きなウェディングケーキにナイフを入れる。

すると中から真っ赤なイチゴがあふれんばかりに転がってきた。

「はーい、ではそのイチゴをお互いアーンで食べさせてくださーい」

ええ!?と、つむぎは丈と顔を見合わせる。
自分達で考えた披露宴では、そういう演出は恥ずかしくて一切ナシにしたというのに……

「ではまずつむぎさんから。甘ーいクリームをたっぷりつけて丈くんのお口に、はい、アーン!」

スタッフに大きなフォークを手渡され、つむぎは丈にささやいた。

「綾瀬くん、すっごく恥ずかしいんだけど」
「いや、俺の方が何倍も恥ずかしい」
「どうしよう」
「大丈夫だ。よし、来い! つむぎ」

うん、と頷くと、つむぎはイチゴに生クリームをつけてから丈の口に運んだ。

「はい、アーン!」というマイクの声に合わせて、皆も「アーン!」と言いながら、カシャカシャと写真を撮る。

「きゃー! もうキュンキュン!」

女の子達がはしゃいだ声を上げて身をよじる。

「いいですねー。では次、丈くんからつむぎさんへ。愛を込めて、はい、アーン!」

つむぎが戸惑いながらうるうると見つめると、丈は頼もしく頷いて小さめのイチゴをフォークで差し出した。

パクっとつむぎが頬張ると、またしても「いやーん!」と歓声が上がる。

「つむぎ、唇の端にクリームついてる」

小さくそう言うと丈は人差し指でつむぎの唇をかすめ、クリームを自分の口に運んだ。

「きゃー! ちょっと今の、見た?」
「見た見たー! 萌えー」
「ごちそうさまー!」

つむぎは恥ずかしさのあまり、そっと丈の袖を掴んで後ろに隠れる。
するとまたしても黄色い声が上がった。
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