初恋が君に届くまで
午後になると、つむぎは小さな会議室で丈と打ち合わせを始めた。

「各部署の問題点や改善したい箇所などをヒアリングしました。こちらにまとめてあります。大まかなところですと、注文がいきなり殺到して海外からの輸入が追いつかなかったり、どの商品がどれだけ売れるかの最初の見込みが外れてしまう点です」

丈は黙ってつむぎの話に耳を傾け、資料を最後まで読むと、顔を上げて口を開いた。

「ある時に一気に注文が殺到するのは、恐らく広告やSNSで話題になるタイミングだろう。それを踏まえてどういうルートで売れているのか、感覚ではなく正確なデータとして分析する。検索エンジンやSNS、Web広告やコマーシャル、雑誌など、どこからその商品にたどり着いたのかを明らかにし、いち早く世間の動きに気づけるように」
「はい」
「あとはどの時間帯にどの商品が売れているのか、それから顧客データとして年代や購入の総額、リピート率なども。これらを商品と照らし合わせればある程度の流行が掴め、仕入れに反映できるはずだ。サイトを訪れるだけでそういった情報を吸い上げられるよう、ウェブデザインに仕掛けを組み込んでいこう」

聞いているだけで、つむぎは大きな味方を得たような安心感に包まれる。

「ありがとうございます。弊社では問題点を挙げても具体的な解決策が見つからず、思うように改善できませんでした。どうかよろしくお願いします。私でできることはなんでもさせていただきます」
「こちらこそ。必ず御社の力になれるよう、最善を尽くします。どうかサポートしてほしい」
「はい、必ず」

二人でしっかりと頷き合った。
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