返事も溺愛もキスのあとで
「一か月の記念日だからな。この年で大人気ないとは思いつつ、やっぱり雛子との記念日は大事にしたい」

お酒のせいなのか、見つめあって話を聞いているだけで心臓は大忙しだ。

私はふいに、店内の壁に貼ってあるポスターが目に留まった。

(あ……あのお祭りの場所……)

私はジョッキを置くと、小さく指差した。

「あそこに貼ってあるお祭りに行きたいんだけど……ダメかな?」

「風鈴祭りか、いいな」

ポスターにはある神社で行われている風鈴祭りについての情報が書かれていた。
昔、私が住んでいた街で開催されていて、その神社の名前に見覚えがあった。

(あやかし神社……)

(昔、住んでた家の最寄り駅の近くだ)

(たーくんが言ってたよね、願いがひとつ叶うって……)

結局、たーくんとは一度も行けたことはなかったが、この風鈴祭りで、風鈴に願掛けの短冊を吊るすと願いが叶うと言われていると聞いたことを思い出す。


一か月の記念日に風鈴に願い事をして、鷹哉さんに想いを伝えたい。

──ずっと、これからも一緒にいたいから。


「週末が待ち切れないな」

「私も」


三杯目の生ビールを飲みながら、細められた彼の切長の目を真っ直ぐに見つめると、私も微笑みを返した。
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