返事も溺愛もキスのあとで
「あの鷹哉さん……」

「ん?」

「えっとね、話があるの」

「なんだ?」

こちらに身体の向きを変えた雛子をみて、俺も身体の向きを変える。

向かい合えば、雛子の丸く愛らしい目と目があって鼓動がやや速くなる。

恥ずかしがり屋の雛子には言わずにいるが、はじめは辿々しかった名前呼びも、二人でいる時の砕けた口調も、いまは違和感がなくとても自然だ。


「あのね……」

雛子は俺と目を合わせると、恥ずかしそうにしながら小さな口を開く。

「もうすぐ付き合って一か月だから、その時、鷹哉さんに、あの返事をしたくて」

「返事? それはどう言った返事だ?」

そう問えば、彼女は少し目を泳がせてから、俺を真っ直ぐに見つめた。

「……鷹哉さんへの気持ちをちゃんと伝えたいなって」


言い終えると、彼女がブワッと耳まで赤くする。

「それは期待してもいいのか?」

コホンと咳払いしながら訊ねれば、彼女が赤い顔をしたまま、こくんと頷く。

「──っ」 

俺は秒で手のひらで口元を覆った。
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