返事も溺愛もキスのあとで
(聞き間違いではないよな?)

(そうだ、春の健康診断で俺の聴力はAだった)

(こ、これは雛子から、この交際について、いい返事をもらえる可能性が高いってことだ)

俺は手を繋いだまま、反対側の肘をつくと、恥ずかしがっている雛子を覗き込む。

俺は我慢強い方だと思っていたが、案外そうでは、ないようだ。

「顔を見せてくれ」

「無理……いま、すごく恥ずかしい、から」

俺は顔まで覆っている雛子のタオルケットをそっと、胸元までおろす。

彼女の目とパチっと目があえば、理性は一瞬で飛んでいく。

俺は空いている手で雛子の頬に触れた。


「あ、の……鷹哉さん……っ」

「唇にはしないから」

もうこのまま雛子にキスをして、自分のものにしてしまいたいが、まだ彼女の気持ちを聞いていない。
唇へのキスもその先も、彼女の返事を聞いてからだ。

「まずは朝の分。額に二回だな」

「……っ」 

「じっとして」

俺は触れるだけのキスを額にする。
そしてそのまま雛子をじっと見つめた。

「あの、鷹、哉さん……」

「今日はもう少しだけいいか?」

「……うん」

彼女が頷いたのを見て今度は頬にキスを落とす。そしてそのまま唇を首元にスライドさせる。

「……あ……っ」
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