返事も溺愛もキスのあとで
「雛子、話してくれないか?」

「うん……あのね。鷹哉さんの隣が似合う女性になりたいな、って……ずっと一緒にいたいから」

いつもなら飲み込んでしまう言葉をそのまま口にすれば、彼がふいに目を逸らし、手のひらで顔を仰いでいる。
気のせいかもしれないが、彼の耳は赤くなっているような気もする。

「鷹哉さん?」

「……雛子には敵わないな」

「え?」

ぼそりと呟いた彼の言葉を確かめる前に彼が私を見つめた。

「そのままでいい。どんな雛子でも俺の好きな雛子だからな」

「……っ」

今度は私が手のひらで顔を仰ぐ。

彼は急に足を止めると、ソフトクリームを持っている私の手首を掴大きな手で掴んだ。

「鷹哉さん……?」

彼は黙ったまま、端正な顔をぐっと顔を近づける。

「頬にクリームがついてる」

(!)

鷹哉さんは至近距離から、ゆっくりと更に顔を近づける。

(え、もしかして……ほっぺにキス、するの?)

(周りに人もいるのに……?)

覚悟を決めてぎゅっと目を瞑ると、頬に何かが触れる。

そっと目を開ければ、鷹哉さんが親指の腹についたクリームを舌でペロッと舐め取るのが見えた。

「甘いな」

「──っ」
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