返事も溺愛もキスのあとで
彼からの不意打ちのスキンシップと意地悪に心臓がとくとく音を立てる。

「そんな顔して、まさかキスでクリームを取られると思ったのか?」

「そ、そんなこと、思ってない」

「そうか。なんだか期待されないのは悲しいな」

「か、悲しいって……」

「ほら雛子。よそ見してるとまたソフトクリームが垂れるぞ」

そう言って今度は彼がソフトクリームに顔を寄せると大きな口でかぶりつく。色気のある目と目があって、もはやソフトクリームどころじゃなくなってくる。

「うまいな」

(心臓、どうにかなっちゃいそう)

今日は風鈴祭りで願い事をしたあと、彼に想いを伝える日だ。

それなのにすでにソフトクリーム以上の彼の甘さに、とろけてしまいそうになっている私は一体どうしたらいいんだろうか。

(今日が終わるころには、どうなっちゃうんだろう)

私は初夏の風に恋の眩暈を感じながら、溶けかかっているソフトクリームにそっと口づけた。
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