返事も溺愛もキスのあとで
そう言えば、彼女が大きな目をにこりと細めて、俺は抱きしめたい衝動を抑えるように繋いだ手に力を込めた。

「参拝も終えたし、目当ての風鈴を見に行こうか」

「うん!」

「あそこだな」

境内の桜の樹の下には、色とりどりの風鈴がたくさん飾られていて、多くの人たちがスマホで写真を撮っている。

「わぁ、すっごく綺麗」

「そうだな」

「鷹哉さん、千個飾られてるんだって」

鞄から取り出したパンフレットを見ながら、雛子が髪を揺らし嬉しそうに笑った。
自分でも、わかるくらいに目尻が下がる。

(この笑顔が見たかったんだ)

俺は雛子が笑ったときに浮き出るエクボがとても可愛らしく、雛子のトレードマークだと思っている。

無邪気に笑う彼女を見ているだけで、どうにも幸せな気持ちが溢れて抱きしめたくなるなんて、俺は相当この恋に溺れてしまっているようだ。

「うーん、綺麗に撮れるかな」

あまり高くない背を伸ばして写真を撮ろうとしている雛子の手から、俺はスマホをするりと取った。

「俺が撮るよ」

そう言って雛子が撮ろうとしていた金魚柄の風鈴と、朝顔の風鈴を並べてスマホの画面に映す。

「どうだ?」

数枚とって画面を見せる。
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