返事も溺愛もキスのあとで
便箋には子供の字で、『たーくんへ だいすき ひなこより』と書かれていて、彼を見れば優しい眼差しが向けられる。

「俺も笑顔がよく似合う、雛ちゃんが大好きだった」

「鷹哉、さん……」

瞬間的に張った涙の膜で、鷹哉さんの顔はあっという間にぼやけてしまう。

なんで気付かなかったんだろうか。
こんなに近くにいたのに──。

「雛子に泣かれるのは今も苦手だな」

そう言って、彼の大きな手が伸びてきて私の涙をそっと拭う。

「……たーくん、だったんだね」

「ああ、またこうやって会えるなんてな」

私は濡れた目をそのままに鷹哉さんを見つめた。たーくんの面影が彼に重なって、涙が止まらない。


「雛子が好きだ。これからもずっと俺と一緒にいてくれないか?」

「……っ、私ね……」

ちゃんと言葉にしなきゃと思えば思うほどに、想いが言葉より先に涙になってあふれ出ていく。

「ゆっくりで大丈夫だから……雛子の返事を聞かせてくれ」

「私ね、鷹哉さんが好き……大好き。ずっと一緒にいたい」

心臓はもう音がわからないくらい早くて、顔は涙でぐちゃぐちゃだ。

彼がこつんと私の額に額を合わせる。
そして唇がゆっくりと確かめるように近づく。

「好きだよ……」

私たちは夕日に照らされながら、初めてキスを交わした。
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