返事も溺愛もキスのあとで
見たことがない、欲を孕んだ男の顔に心臓がドクンと鳴った。

「嫌なら突き飛ばしてもらって構わない」

その言葉に思わず頬が緩む。

「雛子?」 

「鷹哉さんの家に初めてきたときも……そう言われたなって……」

あの時は、上司である鷹哉さんからの告白と同居の提案に戸惑いながら、反射的に目を瞑ったのを思い出す。

今は違う。

好きだから、もっと触れて欲しい。
もっとキスをして欲しい。

「……もっと鷹哉さんを知りたいの」

「わかった」

彼と再び唇を重ねれば、その甘さと心地よさに夢中になる。

(こんなキス、知らない)

そしてキスに夢中になっていると、彼が私の着ているパジャマのボタンを、ひとつずつ外していく。

すぐにあらわになった小さな胸に彼が優しく手で触れる。

「……あ……っ、ン……」

触れられたところから熱を帯びて、聞かれたくない声が寝室に響いた。


「……ンッ……鷹、哉さ……」

「声我慢しなくていいから」

そのまま、彼の丁寧な愛撫が始まる。こんな風に優しく触れられるのは初めてだ。

彼の指先が下着の中に入り込むと、私の敏感な所を何度も出し入れされて、恥ずかしくて気持ちよくて、自分じゃないみたいに乱れてしまう。

「雛子」

快楽の波を漂っていれば、優しく名前を呼ばれて、ぼんやりと瞼を開ければ、私がいつの間にか口元に当てていた手を彼が掴んだ。

「声を聞かせて。あと俺が雛子に何をしてるのか、ちゃんと見て欲しい」

「……や、だ……恥ずかしいから」

ふるふると顔を横に振るが彼は、さらに端正な顔を近づけると熱い眼差しを向ける。

「俺しか見てない」
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